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日本商事仲裁協会(JCAA)の仲裁規則が変更されました。

tag: 仲裁,契約書作成,契約法,英文契約書

藤本です。

去る12月7日、日本商事仲裁協会の各仲裁規則が変更されました。

今まで、2種類の仲裁規則(商事仲裁規則とUNCITRAL仲裁管理規則)に基づく仲裁が実施されていましたが、これらの2規則の改正に加え、新たに「インタラクティヴ仲裁規則」が導入されています。いずれも、2019年1月1日から施行されます。

つまり、日本商事仲裁協会の仲裁といっても、3種類の仲裁が実施されることになります。

その使い分けですが、日本で仲裁手続が普及しない原因の1つを、裁判と比較して高額な費用となることがあると思います。手続きは透明で公正であって欲しい訳ですが、これが過剰となるために費用が高額化すると、紛争することができません。であれば、日本であれば裁判所の手続きで良いじゃないか・・・これが従前であったと思います。しかし、その結果、日本での仲裁件数が増えず、世界から見ると、日本は仲裁後進国で、だったら、国際間の紛争解決も日本で仲裁なんかしません、シンガポール、香港、ニューヨーク、ロンドン等でやります・・・そうなりかねないのですが、これで困るのは、地元で仲裁ができない日本の企業です。

そこで、もっと使いやすい選択肢を増やそうということで、新たに「インタラクティヴ仲裁規則」ができました。簡単に言えば、費用を低額化・定額化するかわりに、手続きも簡素化しようとするものです。

今回の改正によって、紛争の価値にあわせて3つの手続を合理的に選択し、費用対効果の高い仲裁が日本で実現することを期待したいと思います。

なお、各企業が仲裁手続で裁判なしに紛争解決をするためには、契約書の中に「仲裁条項」を挿入しなければなりません。しかも、この条項が、仲裁法の規定に合致しなければ、無効となり、仲裁ができなくなります。どんな仲裁条項にすべきか、について悩まれたら、是非創知法律事務所の弁護士に相談してみてください。

最後に、3つの仲裁手続の詳しい異同等、詳細は、こちらをご覧下さい。