弁護士法人創知法律事務所の藤本です。
今日は、まず昔話をしたいと思います。
今から14年前の夏、私は、米国ニューヨーク州司法試験の勉強をしていました。それから半年後の冬、私は、米国カリフォルニア州司法試験の勉強をしていました。その中で出題される主要科目の1つが「Will & Trust」でした。
Willは、遺言ですね。Trustは、信託です。
遺言と信託がセット、というのは、日本の方には、まだ馴染みが薄いかもしれません。
しかし、意思表示を行う者(遺言者又は委託者)が、将来こうしてくれと、他人(相続人や遺言執行者、受託者)に書き残すという点では、極めて共通しますので、少なくとも私は、これを一緒に勉強しました。
我が国では、遺言は古くから使われてきました。しかし、信託の歴史は、少なくとも一般の個人や企業は、まだ浅いと思います。でも、米国で遺言と同じように使われているものです、日本でも、同じレベルで活用する余地があるのではないでしょうか。
最近、「家族信託」というタームを見ることが増えたと思います。「遺言と信託がセット」になりつつある、従来であれば、遺言や任意後見で担ってきた機能の一部を信託で行うということが増えている証左だと思います。遺言と、信託は、制度としては異なるのですが、機能が良く似ています。そして、制度が違うので、うまく使うと、他方の問題点を回避できることがあります。
私も、米国で昔学んだことが、少しずつですが、日本でも広がってきているのが嬉しいです。ほら、自分が役に立っている感覚が生まれるじゃないですか。