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弁護士の募集について(疑問に応えたい)

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弁護士の藤本です。
弁護士法人創知法律事務所では、弁護士を募集していますが、その理由をある程度、正直に記載しておいた方が良いと思い、筆を執っています。

まず余談。
実は今日(2024年11月9日土曜日)は、海外出張帰り(7日間で7回フライト)で体調が非常に良くなくて、クリエイティブな仕事をするのに向いていないです。頭が働いていない。仕事より先にこれを書くな、と怒られそうな気もするのですが、土曜日に免じて、また、仕事の気分を盛り上げるために、お許し頂きたいと思います。

本題ですが、創知は、弁護士が欲しいです。特に、とびきり優秀で、エネルギー溢れた弁護士。
自分で言うと怒られると思いますが、私共の基準は、最低ラインとして、私(藤本)を超えられる弁護士、又は超えられる可能生のある弁護士が欲しいと思っています。何故なら、創知の東京・大阪のクライアントの多くは、私(藤本)に業務をして欲しいと思っているからです。それ以下に仕事をして欲しいと思っていないからです。

しかし、残念ながら、創知の現在は、客観的に見れば、弁護士の出入りが比較的激しく、それ故に、恐らくは、積極的に入所したい事務所に見えないのではないかと、冷静に想像します。この点は、ひとえに私の不徳の致すところだと思います。一般論として、入所してすぐ弁護士が辞める事務所は、あまり良い事務所ではないと見なされると思います。当事務所では、新人弁護士を7年半の間に、8名採用(内訳:札幌会2名、東京三会2名、大阪会4名)しましたが、現時点でうち3名が退所しています(内訳:札幌会1名、東京三会1名、大阪会1名。なお、残っている5名のうち1名は、所内で登録換え(大阪⇒第二東京)をしています。)。比較的新しい法律事務所のあるあるだとは思うのですが、どうしても創業時は、事務所のポリシーとか、定まっていないことが多く、ミスマッチがあったのは事実だと思います。2024年にも、創知に新人として入所した弁護士の退所(在籍2年強)があった訳ですが、これは、キャリアプラン等の変更からの退所であって、喧嘩別れといった退所ではないことは、強調しておきたいと思います。

創知の弁護士育成方式は、どちらかというと伝統的な手法ですが、創知オリジナルもあります。
伝統的というのは、要するにオンザジョブトレーニングをベースとするという点です。育成のための専用の教育というのを設けたりはしていません。もっとも、いきなり進行中の案件にぶち込むのではなく、基本的には新件、また、基本的には紛争案件からスタートさせるように努力はしています。これには色々と理由があり、まず、弁護士業務には、紛争前(契約書の作成とか、ビジネスの構築とか、M&A等のご相談)と、紛争後(既にもめていて、訴訟や交渉を開始するかどうするか)があるのですが、紛争前の方が、弁護士としての経験がなければできないことが多いのです。紛争後の業務は、法科大学院や司法研修所で勉強したことが直接役立つ割合が高く、比較的スムーズに取り組める筈です。創知は、東京大阪の紛争後案件が相対的に少ないのですが、札幌が紛争後の割合が高いこともあり、場合によっては、東京大阪の弁護士でも、札幌案件に関与することによって、経験のバランスを保つこともできます。
私(藤本)個人は、過去に3つの法科大学院で、契約や会社法、中国法を教えてきました。従って、必要があれば、理論的にも、知識的にも教えられることは山ほどあります。教え子が過去に入所したことも2度あります。弁護士は、新人でも弁護士であって、学生と先生ではない、お互いに先生と先生ですから、一方的に教わるという態度ではまずいとは思いますが、実際には、あれこれ教えあいながら、伸びてもらえたらと思っています。

オリジナルな点は、各拠点が必ずしも独立していないで、連携しているという点です。例えば、札幌の弁護士は、医療過誤の患者側案件が多いのですが、その依頼者は、東京大阪の割合も高く、相談や証拠保全等の初期手続において、札幌のパートナーと、東京大阪の若手アソシエイトがセットで案件に取り組むことがそれなりにあります。東京大阪間は、責任者が同一(藤本)なので、より深く連携しています。東京大阪のクライアントには、第二東京所属か、大阪会所属かを余り感じさせないように、一体で法律業務を提供しています。東京大阪の採用では、採用時までに、スペースの都合やバランスから、東京所属を希望する、大阪所属を希望するという事務所側の都合は申し上げます。しかし、内定を出す時点では、どちらの所属でも良いということにしています。これは理由があって、その人を採用したい理由は、その人の能力や個性であって、東京に属してくれるとか、大阪に属してくれるから、ではないからです。どちら所属であっても、同じように業務をするというのは、ZoomやTeamsの活用もあって、かなり現実的になっています。もっとも、クライアント獲得という点で考えれば、なお地理的要素は重要ですので、そこは、当該アソシエイト(又はその候補である内定者)と話し合いながら、望ましい所属会について協議をして決めれば良いという考えです。
また、事務所が比較的小さいので、案件の状況把握は、東京大阪では原則、弁護士全員が参加して、週1回会議をしています。これによって、自分が担当していない案件の状況も分かりますし、自身の案件の備忘や相談も容易です。
なお、本人の意に反する異動(東京⇒大阪、その逆)はしていません。

その他、外国法事務弁護士が現在1名(大阪会)、まもなくもう1名(第二東京)誕生予定でして、外国法案件、特に中華系案件が豊富にあることも、特徴です。更に、企業法務については、特定の弁護士について、特定の企業の業務に集中する、実質的にインハウスと同様の働き方をしている弁護士もいたりします。海外の会議などにも、1年目から積極的につれていきます(ご希望ならば)。普通の伝統的法律事務所よりは、働き方についても多様かもしれません。

よく、語学ができなければ入所できないか、と問われることがありますが、そうではありません。私も、中国語が本格的にできるようになったのは、31歳の中国留学からです。英語も、29歳の米国留学の時に、Budgetレンタカーを指さして「ブッドケットレンタカー」と呼んだレベルでした。最初から語学ができなくても、能力と情熱があれば、それはいつかできるようになるので、あまりその点を大きくは気にしていません。勿論、できるに越したことはありませんが。

弁護士として大事なのは、どちらかというと、不安感を直視できることです。不安だから、その不安が現実化しないように、あれも備えよう、これも備えよう、弁護士業務の大半は、そこに尽きます。例え、天才的な能力があっても、不安感が感じられない人には、向いていないかもしれません。また、不安感があっても、何もできずに落ち込んでしまう人にも向いていないと思います。この不安感をベースに、あれこれアイデアを出し、備えていく、その繰り返しが経験となり、弁護士としてのノウハウになります。これを創知というチームとして、クライアントに提供し、クライアントの満足を得る。そうやって、事務所の信用を築いてきたつもりです。

私の創知としての不安感は、私の老いにあります。現在48歳、まだまだ元気です。健康診断では、血管年齢は10代から20代と判定されます(昨日の帰国直後フラフラの健康診断でも、20代でした。)。パートナー弁護士としてはまだ若い部類であり、事務所のトップとしても若いと思います。もっとも、10年、20年のスパンで考えれば、私の年齢と共に顧客の年齢が上がり、(現在そうではありませんが)いずれ顧客がどこかで減少する恐れがあると感じます。そうなる前に、事務所としての力をつけたい。クライアントが安心して長期的に任せられる事務所でありたいと思っています。従って、2~3年の戦力として新人を採用する気はありません。長期的に、事務所のパートナーで残ってくれそうな方を募集しているのです。

その裏返しで、中途採用も、ダメではないのですが、新人と比較すると、「負のオーラ」を背負っている方が来る割合が高く、また、短期的な戦力を期待している訳ではないので、中途採用には積極的ではありません(事務所設立当初は、その逆をしていて、迷走してしまいました。)。もっとも、創知は、私に近い年齢層が薄いのは事実なので、この環境で事務所をリードする側で参画したいという方がもし居れば、また、その方が「プラスのオーラ」を持つ方であれば、積極的に検討したいとも思います。

顧客獲得は恋愛に似ていると思います。恋愛時に、「どうせ僕はモテない」なんて言う人(まあ、私も学生時代はそうでしたので、モテませんでしたが。)は、本当に持てないと思います。弁護士にもそれが言えます。自分がいかに素晴らしい弁護士であるか、それを何かで語れる弁護士になって欲しいし、そういう方に来て欲しいです。ちなみに、真実はネクラでも良いと思います。それが演じられれば良いのです。

若い方からすれば、中小の法律事務所は、「得体が知れない」存在なので、いわゆる「四大法律事務所」や「大阪四大」に入所を希望する方も多いと思います(因みに、「大阪四大」という言葉は、私が創った造語です。その経緯については、良かったら直接尋ねてみてください。)。その気持ちもよくわかります。しかし、真剣に、事務所と個々の弁護士の将来を考えているという点では、創知も負けていないと思います。もしご興味がある法科大学院生、修習生、弁護士等がいれば、是非お尋ね頂ければと思います。