多能性幹細胞と組織幹細胞の相違は何か?
ES細胞とiPS細胞の相違は何か?
美容再生治療って、本当に効くのか?
皆さん、ご存じでしょうか?
弁護士法人創知法律事務所(以下「創知」といいます。)は、大事な顧問先に対して様々な場面でお役に立てるように、との思いを込めて、創知の顧問先企業の経営者様又はこれに類する方に限定して、クローズドな形での、顧問先同士と創知の弁護士が交流する研修交流会を毎年企画しています。
4回目となる今年は、函館市にて、9月26日(金)から27日(土)の2日間に亘り開催し、顧問先9社11名にご参加いただきました。
昨年の同種企画では、広島市で、広島大学の戸崎洋史先生(広島大学平和センター)をお招きしての「戦略的競争下の北東アジアにおける核リスクと日本の安全保障」と題する研修会を実施しましたが、今年は、「幹細胞の基礎と医学応用」と題する研修会を、京都大学名誉教授の中辻憲夫先生をお招きして実施しました。我々弁護士と顧問先経営者は、事前に先生の新書版「サイエンス・パレット 幹細胞と再生医療」を拝読し予習した上で、研修会に臨みました。
幹細胞を用いているとされる再生治療は、現在、さまざまな医療機関等で提供されつつあると宣伝され、またテレビ新聞など主要メディアでも取り扱われること多数ですが、その治療や情報(特に、情報の正確さ)は玉石混交です。
実際のビジネスで、又はプライベート(美容など)で、幹細胞や、これに関連する技術に触れる機会は多々あります。我々弁護士も、例えばM&AのDDや協議、各種契約の検討で、「幹細胞治療」「再生治療」といった用語を目にすることがあります。
そこで、(多能性)幹細胞の世界的権威である中辻先生の研修を通じて、正しい知識、考え方に触れる機会を経営者の皆様にご提供できればと思い、企画させていただきました。
研修は、幹細胞の種類と特徴といった細胞生物学の基礎的知識に始まり、多能性幹細胞であるES細胞やiPS細胞の基礎研究の内容・進捗、巷に蔓延る誤った理解など、様々な点に及びました。
例えば、ES細胞には倫理的問題があるとされる点についても、実際には、確かに受精卵を使うが、不妊治療の中で廃棄されることが決まった余剰胚のみを使うので、倫理的な問題は大きいとまでは言えないこと、iPS細胞とES細胞の比較でも、iPS細胞の「初期化」は、完全ではない場合があり得ること、iPS細胞・ES細胞といった多能性幹細胞の特徴は、初期化のみではなく、細胞分裂のスピード感にも特徴があること等等、最新の事例や応用例も踏まえたもので、とても勉強になるものばかりでした。
参加者からも、質疑応答が尽きることなく、大変活況な研修会となりました。
【中辻憲夫先生のご講演の一コマ】
なお、藤本は、中辻憲夫先生が当時拠点長をされていた京都大学物質―細胞統合システム拠点(iCeMS)にて、2008年に客員准教授に就任し、2016年3月まで、同拠点の初代拠点長であった中辻憲夫先生と共に仕事をする機会を得ました。その後も、一般財団法人中辻創智社の設立時に理事に就任し、公益財団法人化のお手伝いもさせていただき、現在も中辻憲夫先生と共に、公益財団法人中辻創智社の理事を務めております。このようなご縁で、大変お忙しい中辻憲夫先生に研修会をご依頼させていただいた経緯があります。
この研修会を通じて実感したのが、経営者の皆様が人並み外れた知的好奇心、正しい情報にアクセスしたいという強烈な渇きをお持ちだということです。スマホに気になる単語を入力すればすぐに検索結果が表示され、真贋入り混じる数多の情報にアクセスすることができる時代であるからこそ、真に正しい情報、正しい考え方を持った一次情報にアクセスすることの重要性が、ビジネスにおいても、プライベートにおいても一層高まっていて、日々、様々な判断を迫られる経営者だからこそ、日頃からの正しい情報収集に人一倍、気を配っておられるのだと思いました。
創知は、お客様にとって最適なリーガルサービスを提供することは勿論のこと、経営者の皆様が根源的に持つ「知的好奇心」を少しでも満足させられるよう、今後も、広く有益だと思われる企画を様々開催したいと思います。
この度は、函館まで遠路はるばるご参加いただきました顧問先の経営者の皆様に感謝申し上げますとともに、素晴らしいご講演をいただきました中辻憲夫先生にも、厚く御礼申し上げます。
また、来年以降も、創知の顧問先企業の経営者様を対象とした研修交流会を開催いたしますので、ご参加をどうぞよろしくお願いいたします。
余談ですが、研修交流会の合間に、ご希望された参加者の方と共に函館山に登り、山頂からの百万ドルの夜景を楽しみましたので、こちらもご報告いたします。
【有志で函館山の夜景を愉しみました!】
引き続きのご支援ご指導をどうぞよろしくお願いいたします。